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教育の概要

航空大学校は日本唯一の国が設置したパイロット養成機関

 1954年7月、運輸省(現、国土交通省)はエアライン・パイロット養成を目的として航空大学校を創立。
以来、航空大学校は日本唯一の国立パイロット養成機関として4,000名を超える卒業生を送り出してきています。現在、航空大学校の出身者は航空会社の定期路線を中心に民間航空事業の中枢で活躍しています。エアライン・パイロットを始めとする民間航空のパイロットに求められるのは、操縦技量に加え、優れた判断力、安全に対する強い意識と責任感、すなわちエアマンシップ・・・。
 率直にいいましょう。これらは優れた資質をもつ者が、日々の訓練、絶えざる努力を重ねることによってはじめて得られる能力といえます。そこにいたる道は決して平坦ではありません。ですが、400名もの乗客の命をあずかり、音速に近い速度で飛ぶということは、そうした厳しさを経てはじめて許される行為なのだとはいえないでしょうか。厳しいけれど、不可能ではありません。すでに多くの者たちがそれに挑戦し、成し遂げてきた道程でもあります。
そして次に挑戦するのはあなたです。

エアライン・パイロットをめざす飛行機操縦科

 航空大学校のキャンパスは、宮崎空港、帯広空港、そして仙台空港に隣接しています。エアライン・パイロットをめざす飛行機操縦科学生は6月、9月、12月、3月の4期に分かれて入学し、まずは宮崎キャンパスで5カ月間の学科教育を受講。そして帯広キャンパスにおいてシングルエンジン機のシーラス式SR22を使用してのフライトトレーニングを開始、6カ月で自家用ライセンス相当のテクニックをマスターします。

 続く6カ月間は再び宮崎キャンパスでのフライト課程。シーラス式SR22を使用しますが、ここでは事業用ライセンス相当、つまりプロパイロットとしてのより高度なテクニックや判断力をマスターするのが目的です。
 そして最終課程は仙台キャンパス。ここではレシプロ双発機のビーチクラフト式G58型機を使用し、より複雑で高性能な機材でのオペレーションや計器飛行をマスターします。この仙台キャンパスでの7ヶ月間のフライトトレーニング(この間に、エアラインの入社に向けた試験も開始される)を終えれば卒業。エアライン・パイロットとして歩み出す事になります。

  なお卒業時の取得ライセンスは「飛行機・事業用操縦士(陸上単発・陸上多発)」そして「計器飛行証明」です。

教育プロセス

令和3年7月1日現在

1.宮崎学科課程
期間 5ヶ月
場所 宮崎本校
学科 547時間
   
2.帯広フライト課程
期間 6ヶ月
場所 帯広分校
学科 156時間
実機(SR22)による操縦訓練 71.5時 
計器飛行地上訓練  7時間 

3.宮崎フライト課程
期間 6ヶ月
場所 宮崎本校
学科 162時間
実機(SR22)による操縦訓練 73.5時間
計器飛行地上訓練 15時間
4.仙台フライト課程
期間 7ヶ月
場所 仙台分校
学科 150時間
実機(G58バロン)による操縦訓練 57時間
計器飛行地上訓練 22時間

取得するライセンス

事業用操縦士(陸上単発・多発) 計器飛行証明

航空大学校のキャンパスは全国に3校